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梟の夢「青い記憶」

私は死なない。
いいえ・・・死ねないのだ。


このどこまでも広がっている空を眺めながら今日も彼等の家系を見守っている。
洗濯物を干しながら真っ青な空を見上げると、不意に数世紀前私がエラトの女公爵と呼ばれていた頃を思い出した。

「思い出した」というのは正確でないかもしれない。
私はあのときのことを忘れたことなんてないのだから。

私のための最強騎士。
彼の指が私に触れる度に私の鼓動は高鳴っていた。
彼のことを思う度に胸が張り裂けそうになってきた。

ボー・ワキューンが陥落したあの日、彼が見つめていた空と同じ空。
あれから何度もこの空を飛び回ってきたけれど、彼があの時守ってくれなければ、空はこうではなかっただろう。

今こうして遠い甥たちの成長を、ゆったりとしたときの中で見守れる。
そんなごくありふれた幸せ。
それさえも私にはいつか苦痛を強いるのだ。
この甥たちの死を私は必ず受け入れていかねばいけない。
あるものは天寿を全うし。あるものは遠乗りをして、落馬し帰らなかった。グロリムの強靭に倒れたものもいた。

そんな彼らを見守っていく事ができるのも彼のおかげだ。
あの場で彼が私を一喝してくれなければ、この重要な使命さえ果たせずに無駄死にするところだった。
決して老いぼれ狼のおかげではないわよ。私は今でのあのときのことを忘れてはいないのですから。
今も思い出せば涙を流しそうになるけれど、決してそんな惨めな真似はしない。
遠い甥達に微笑みかけながら彼らの家系を見守っていく。

運命の駒として愛する人を今ままでどのくらい死に追いやってきたかわからない。
でも私は今このときを犠牲にして、約束の日を目指してこの悲しみを超えていかねばならないのだから。


ベルダラン……
リヴァ……
ゲラン……

そして今まで愛してきた全ての甥たち。

なにより私の愛した人……オトンローズに愛をこめて。


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現実逃避万歳です。
最初「青い記憶」のイメージSSという事で書き始めたのですが、
個人的にポルのイメージにぴったりだったのでそのまま書いてみました。

特にまあたらしいこたぁないんですよね^^;
難しかったのは文体かな??普段と変わらない上に俺の文体がむちゃくちゃとか言わないようにwww

元が英語で翻訳ものというだけあってどうしても口調だったり語尾が特殊になってしまうのです。
そのまま翻訳版を使うか、個人的イメージに合わせて書くか考えて個人的イメージを優先しました。

時間軸的にはボー・ワキューン崩壊後〜ボー・ミンブルの戦い前くらいです。

おそらく皆さんポルガラの事わからないと思うので簡単に説明でも(´・ω・`)

デイヴィッド・エディングス著
『ベルガリアード物語』
あらすじ:
この世が創造されて間もないころ、世界制覇の力を宿す宝石をめぐって神々が闘いを繰り広げて
いた。この争いは魔術師ベルガラスが邪神トラクを倒して幕をとじた。
が、いつの日か邪神は宝石を求めて再びこの世に現れるという。
平凡な少年ガリオンにとって、神々の争いや宝石など、単なる神話ではなかった。だが、謎の
老人の出現によって、ガリオンの平穏な日々は激変した・・・。
『マロリオン物語』
ガリオンは邪神トラクを倒して、真のリヴァ王になった。これで予言は成就された、と誰もが信じて疑わなかった。
そして2年の歳月を経たある日、ガリオンとエリオンドの頭の中で、再び予言の声が響いた・・・
「ザンドラマスに気をつけよ!」だが、果たしてザンドラマスとは何か?答えを求めて、ガリオンは『ムリンの書』を
紐解くが・・・


何がなんだかわからないですねwwwwこの2つに登場する女魔術師です。
主人公の大々々々々々々々々々・・・・叔母にあたります。
「意思と言葉」の能力をあやつり、主人公の家系を数十世紀にわたって守り続けてきた女性。

ちなみに「老いぼれ狼」とは彼女の父のベルガラスの事です。

興味があったらよんでみてくださいな。

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